メディアファクトリーが電子出版関係で攻勢をかけてきたiOSアプリのMFラノベ・コミック。
すでに読んだことのあるゼロ魔の1巻が無料ということでそれだけはと思ってましたが、さすがになんとなく読む気が起きず。
で、カントク絵を最近見過ぎた影響で「変態王子と笑わない猫。」をチョイス。
コンテンツの内容はここでは触れるべきことでないのであまり言いませんが、いい作品でした。
アプリの内容ですが一般的なビュアーアプリにApple IDを使った課金システムをとっています。
iBookstoreが出来てなく、フォーマットも日本書籍には未対応と考えると今のところ、このタイプが一番買いやすく安心できると思います。
買い切り型のビジネスもありますが、読んだ書籍を再度購入するという事が発生するのは紙の書籍以上にコストがかかっていると思うのでやはり購入履歴情報を管理して欲しいところです。
ストアはApple IDを使ったアドオン方式かWebで別にしてそこで購入を行わせる別管理方式のどちらかになりますが、後者はアプリ内にリンクを入れることができないため、集客の窓口がややこしいのが難点でしょう。
逆にストア内蔵方式だとコンテンツ購入履歴をうまくクラウド管理できないパターンもあります。
このアプリでは購入履歴は購入した端末のみにしか反映されず、別端末では反映されていませんでした。
ストアはWebでの設計とは思いますが、アドオン管理に関しては別アプリでもできているので今後修正してもらいたいところです。
期間限定の無料書籍に関してもアドオン表示のないことから購入履歴に出ないのも問題な気がします。
本棚管理も自分で作った本棚による分類は簡易的にできるようですが、書籍データの端末削除などストレージの管理をする上で自由にできないのが問題です。
ビュアーとしてはかなり軽快に、気持ちよくページ送りできるので十分かと思います。
難点といえば、やはりしおり同期とかクラウド管理ができてないのも残念といいますか、このへんはKindleを模範にして欲しいところです。
しおりですが番号が「しおり 1」とかのようについて行きますが、削除してもずっと数が上がっていく仕様はどうも。
なんか別の方法を取って欲しかったですね。
複数しおりか中断のしおりかは何かいい方法があるかもしれません。
フォントなどはあまり気にしてなかったので割愛させてもらいます。
書籍管理はリリース時においてそれ以外は軽快に動くようにできているので今後に期待というところでしょうか。
電子化ならではの部分について。
たぶん、そのままデータを規定フォーマットに流し込んでいるだけなのでしょうが、テキストデータそのもののために電子化でのUXは皆無です。
値段的には書籍版より安いので妥協すべき所ではありますが、やはり今後の電子化ならではのラノベということを望みたいとは思います。
Twitter連動も特にPOSTが出来るだけの機能であり、読書体験共有には程遠いですね。
最後のアンケートもハガキに書く手間から比べれば便利ですが、個人情報登録を済ませておけるようにしておいたほうがいいかもしれません。
また、読んでいるタイトルぐらいは自動的にフォーム登録欲しいものです。
小説やラノベはまだパブリッシャーや参加出版社が少なく、全てにおいてKindleを超えるものはないのが現状です。
日本製のビュアーにおいて当アプリはまあ、水準以上で高いレベルではありますが、まだまだ読書体験が追い付いてないのも事実です。
ただ、ことラノベにおいてはタイトル数が毎月の発売数から比べて圧倒的に少ないのもあり、まずはタイトルをという部分が優先度が高いのも事実です。
角川のBOOK☆WALKERがかなりレーベルを持っていますが、今後は出来ればパブリッシャーの統一、もしくはクラウド連携でビジネスを確立してもらいたいものです。
ここ1年で電子出版は大幅にタイトルや情勢が変わって来ました。
米国のような逆転現象とまでは行かずとも、なんとか形にしようとして既得権の微妙さとアプリ設計の未熟さなどをカバーして少しずつ前進してきている印象です。
2012年は電子化が各メディアでさらに加速するのではとも考えられる年です。
出来れば、今までの日本では考えられないようなコンテンツ流通革命が起こってもらえれば消費者としても期待感でコンテンツ消費へ迎えるのですが。
MF ラノベ・コミック 1.0.2（無料）
カテゴリ: ブック
販売元: MEDIA FACTORY,INC. - MEDIA FACTORY,INC.（サイズ: 15.1 MB）
全てのバージョンの評価:
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iPhone/iPadの両方に対応
変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)