2011年3月3日木曜日

地方自治でのコンピュータ教育




今、コンピュータ教育は高等学校までの基礎教育と、専門レベルを有料で教える各種専門学校や講座、地方での再就職のためや老人のための教室と大別できるんじゃないかなとも思います。
若年層での教育は残念ながら実態がわからないので触れることができませんが、訓練校などに起きている問題と同じようなものが起きているのかもしれないと思います。
専門レベルを教える場合は、まあ、ピンからキリまでなので割愛します。

コンピュータ教育をする場合、対象者の想定は素人になります。
専門知識を揃えた人はが授業レベルを選択できるので、いわゆる何も知らない、知っていてもコアに知っているものを想定はしてないと思います。
この素人というレベルですが、パソコンを触ったことがないという人を対象にした場合、本当に触らずに生きてきた、みたいな人です。
ケータイ時代で触る必要がない、というのはわかりますが業務のフローに組み込まれてないというのは今の時代だとブルーカラーということになります。

訓練校である程度触ったことがある人で集められた講座に通っていますが(そもそもそんなところに自分が通うのはどうなのかというつっこみはともかく)初心者向けの講座をとりあえず終わらせました的な人が多く、結局は初心者レベルに毛が生えた程度の授業になってしまっていました。
で、彼らの多くの技術取得は覚えることであり、それはボタンなどの位置を覚えるということを意味します。
アプリケーションを使うという意味では業務が身近であれば(例えば文書作成とか)問題ないのですが、画像加工などになっていくと差が出る感じです。
ここは教える側も機能説明を撫でる形になってしまい、どうしても覚えづらいことになっていると思います。

さて、そんな人がHTMLとか覚えようとするとどうなるかですが、やはり記憶、お覚えるだけになります。
文章の構造を捉えてページ設計などをする、などということはとてもできません。
そもそもそのようなものとして記述言語を意識できていません。
定型句的にタグを落とすことはできてもその先までは出来てない感じです。
授業も実務でなく、試験目的のため、ページをどうするかに関してはどうも触れずに終わっていきそうです。
講師の方も残念ながらそのような詰め込み型であり、今の技術の状態やそもそもの意味付けなどができず、試験テキストそのままを詰め込み式に流すという形になっていました。
自分で理解出来ないものが他人が理解できるはずもなく、みたいな話です。

特にコンピュータはその専門性が特殊な部類に入るのではないかと思います。
アプリケーションを扱うのであれば、おおよそ、ワークフローに沿う場合も多く、仕事がルーチン化するので問題ないのですが、コードが絡む仕事は特殊になっていきます。
中身がわからなければ動作の理解が得られないからですね。
ここらへん、一時期書籍でHow to的なものが売れた気がしますが、そういうニーズがあったのかもしれません。
ただ、その後に一般的に意識がいかなかったということや、昨今の池上ビジネスを考えると学問・技術的なものは残念ながら利用者層には受け入れる必要がないという認識になってしまったようです。

インターネットも含めてコンピュータは、当然その歴史の状況の上で最適と思われるものを模索しながら設計されてきました。
その流れはずっと今の言語仕様やハード実装にも生かされてきてはいます。
特にソフトウェアの歴史の根っこはかなり今でも生かされてるのでその歴史を学ぶことは重要なことも多いのですが、学問として習わない場合はここは見過ごされる部分かと思います。


今後特にインターネットが重要になっていくコンピュータを扱うことでの参加はやはりかなり敷居が高いと思います。
ただ、CMSやタブレット端末、スマートフォンの普及など意識しないで済むという選択肢も出てきました。
間違って覚えるのは技術者的にはNGではあるのですが、利用者として変に広まらなければ使えればOKというのもありなのかと思います。
業務以外でのネット利用など、今後はそういう方面での教育が重要になるのではないでしょうか。